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ショットピーニングとは?ショットブラストとの違いを解説

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ショットピーニングとショットブラストは、いずれも金属表面にメディアを投射して特性を改善する表面処理技術です。用途や得られる効果は異なり、ピーニングは疲労強度の向上や寿命延長を、ブラストは錆びやスケール除去、下地調整を主な目的としています。

本ページでは、両者の特徴や違いについてまとめました。

ショットピーニングと
ショットブラストの違い(比較表)

項目ショットピーニングショットブラスト
主な目的疲労強度の向上表面のクリーニング、下地処理
主な用途高耐久性が求められる自動車・航空機部品など金属部品の錆びやスケール除去、塗装・溶接の前処理
処理の効果圧縮残留応力付与、耐摩耗性向上などスケール除去、密着性向上(アンカー効果)など
表面の状態微細なくぼみがある梨地模様微細な凹凸がある粗面状態

ショットピーニングは耐久性向上を目的とした表面強化加工であるのに対し、ショットブラストは表面の不純物除去や下地調整を目的とした表面処理です。

目的や用途に応じて適切な工法を選択することが、製品の品質向上やコスト削減につながります。

ショットピーニングとは

鋳鋼やカットワイヤーなどの金属メディア、あるいはセラミックビーズやガラスビーズといった非金属メディアをワーク表面に高速で衝突させる冷間加工の一種です。ショットピーニングを施すと、金属表面に塑性変形※1と加工硬化が生じます。

※1 塑性変形…力を加えると形が元に戻らない変形。

ショットピーニングの加工目的

主な目的は、金属表面に圧縮残留応力※2を付与し、疲労強度を向上させることです。引張破壊(ひっぱりはかい)※3の原因となる応力に対し、あらかじめ付与された圧縮残留応力が抵抗して部材の破壊を防ぎ、製品寿命を延ばします。

※2 圧縮残留応力…外部からの力が加わっていない状態でも、材料の内部に残っている圧縮方向の力。
※3 引張破壊…材料に力が加わった際に、材料が破断すること。

主な用途

自動車部品のばね歯車コネクティングロッドクランクシャフトなどの駆動部品、航空機のジェットエンジンランディングギアなどが挙げられます。溶接部やプレス金型への適用も一般的です。

ショットピーニングによる効果

圧縮残留応力の付与による疲労強度向上のほか、耐摩耗性や耐応力腐食割れ特性の向上などの効果があります。他にも放熱性の向上流体抵抗の減少加工硬化※4組織変形、成形を目的としたピーンフォーミング※5など、多岐にわたる効果も期待できます。

※4 ショットピーニングの「加工硬化」…疲労強度向上と並ぶ主要な効果の一つとして積極的に利用される。
※5 ピーンフォーミング…ショットピーニングの力を利用して金属板を成形する加工方法。

ショットピーニング後の
表面の状態

ショットの衝突によって、表面には無数のくぼみ(圧痕)ができ、梨地模様(なしじもよう)と呼ばれる独特の表面が形成されます。この梨地模様が、潤滑性の向上や焼付き防止に寄与するケースもあります。

ショットブラストとは

主に表面のクリーニングや下地調整を目的とした表面処理技術の総称です。メディアを高速でワークに打ち付けることで、物理的に表面を研掃します。投射方法には、羽根車の遠心力を用いるタービン式や、圧縮空気を用いるエア式などがあります。

ショットブラストの加工目的

主な目的は、熱処理や鋳造によって発生したスケール(酸化被膜)や錆び、旧塗膜などを除去し、素地を露出させることです。また、塗装や溶接の密着性を高めるための「アンカー効果」(表面の粗面化)を目的として行われます。

主な用途

自動車部品や建築鉄骨などの塗装・溶接前処理、鋳物や鍛造品のスケール除去バリ取り金型のクリーニングなど、幅広い分野で活用されています。こうした処理は、部品の品質向上や製造プロセスの効率化に欠かせない工程です。

効果

素地をきれいにし、適切な表面粗さを与えることで、塗装の密着性が飛躍的に向上し、塗膜の寿命を延ばすことができます。また、加工硬化による表面硬度の向上が見られる場合もあり、製品の耐摩耗性がわずかに向上する効果も期待できます。

ショットブラスト後の
表面の状態

投射材の種類や加工条件によって異なりますが、一般的には表面の不純物が除去され、微細な凹凸がある粗面状態になります。粗面状態にすることで、後に続く工程での塗料のハジキなどを防ぐ効果も期待できます。

加工目的や用途に合わせた
使い分けがおすすめ

ショットピーニングとショットブラストは金属表面にメディアを投射する技術として類似しているものの、それぞれ得意とする分野が異なります。

ショットピーニングは金属表面に圧縮残留応力を与えることで疲労強度を高め、部品寿命の延長や耐摩耗性・耐応力腐食割れ特性の改善といった効果を発揮します。

一方でショットブラストは、錆びやスケール、旧塗膜の除去といったクリーニングや、塗装・溶接前の下地調整に適しており、製造工程の品質向上に欠かせない役割を担っています。導入の際には、自社の部品や現場の課題に応じて、どちらの処理技術を選ぶかを見極めてください。

ショットブラスト機は、加工部品に適した装置を選ぶことで、処理速度の向上やコスト削減につながります。当サイトでは「鋳造品・鍛造品・鉄鋼部品」「半導体・電子部品」「航空機・ロケット部品」と部品別におすすめのショットブラスト機メーカーを紹介しているので、ぜひ導入の参考にしてください。

【部品別】
ショットブラスト機
メーカー3選

ショットブラスト機は、加工部品の素材や形状に適した装置を選ぶことで、処理速度の向上やコスト削減が可能。メーカーごとに得意とする部品のタイプが異なるため、加工する部品に応じた装置選びが欠かせません。ここでは、部品ごとにおすすめのショットブラスト機を扱うメーカーを紹介します。

鋳造・鍛造・製缶・製鋼部品
なら

太洋マシナリー

太洋マシナリーの公式HPキャプチャ
画像引用元:太洋マシナリー公式HP(https://www.omco-taiyo.co.jp/)
大型ワーク・硬質スケール
に応えるカスタム設計

鋳造・鍛造・製缶・製鋼部品の附着砂や錆・スケール落しを目的とし、ワークの形状・材質・処理能力に対応したショットブラスト装置をカスタム対応。
標準機械も取り揃えており、用途に応じたレイアウトとオプション仕様でセミカスタム設計しています。

メンテナンス性・
消耗部品寿命にこだわった機能

高性能セパレーターと最適なライニング材で不純物を除去し、鋳造・鍛造・製缶・製鋼部品の製品表面仕上がり状態を改善し、消耗部品の延命が期待できます。
用途に合わせて消耗部品やキャビネットライニングの材質と取付方法を選定し、メンテナンスを簡素化します。

半導体・電子部品
なら

不二製作所

不二製作所の公式HPキャプチャ
画像引用元:不二製作所公式HP(https://www.fujimfg.co.jp/)
超微粒子技術で
再現性が高い精密処理を実現

1μm以下の超微粒子研磨材を安定して噴射できる装置に、独自の研磨材定量制御技術を搭載することで、低圧での安定噴射を実現
繊細な製品加工の再加工や検査負担を軽減します。

精密生産ラインと
クリーン環境に対応する設計

精密加工向けに多関節ロボット自動化を搭載したショットブラスト機を提供。
クリーンルーム環境での運用にも配慮し、処理精度と清浄性の両立をサポートします。精密生産ラインにも組み込みやすい設計です。

航空機・ロケット部品
なら

Wheelabrator
(ホイール・アブレーター)

Wheelabrator(ホイーラブレイター)の公式HPキャプチャ
画像引用元:Wheelabrator公式HP(https://www.wheelabratorgroup.com/)
トレーサビリティ機能で
厳しい要求仕様に対応

航空機メーカーと共同開発し、航空部品に特化した装置を提供
処理条件や稼働状態をリアルタイムで記録・管理できるトレーサビリティ機能により、航空機・宇宙開発業界の厳格な品質要求に応えます。

機能性向上に直結する
ムラのない処理

疲労強度の向上や応力腐食割れの抑制など、航空機部品で重視される性能改善に特化したショットピーニング装置を開発
CNC制御や多軸ロボットによる精密な噴射制御で、均一なピーニング処理を実現します。