同じブラスト処理でも、ワークを入れる・吊るす・載せる・流すといった搬送方法によって、得意な形状や生産量が変わります。最初に条件を整理し、最後に実ワークで処理テストを行うことが、処理ムラ・打痕・段取り増・能力不足を避ける近道です。
形式を比較する前に、次の4分野を社内で整理します。カタログ上の処理能力だけでなく、ワークの扱い方や前後工程まで含めて条件をそろえることが重要です。
小物部品をまとめて投入し、ワーク同士を攪拌(タンブリング)させながら投射する方式です。ワークが常に動くため、比較的均一な当たりを得やすく、量産の小物処理で効率を出しやすい形式です。
治具にワークを吊り下げて処理する方式です。ワーク同士が接触しないため、打痕や変形のリスクを抑えやすく、形状上タンブラーへ投入できない部品にも対応しやすい特徴があります。
ワークをテーブル上へ載せ、回転またはスイングさせながら投射する方式です。ワークを安定保持しながら当たりを均一化しやすく、ある程度の大きさがある単品〜中量品や、載せて処理したい形状に適します。
ワークをローラーで搬送しながら連続処理する方式です。鋼板・形鋼・パイプ・構造物など、長尺物や平板をラインで流す場合に強く、上下面同時処理などで生産性を高めやすい特徴があります。
小物を連続で流す用途では、メッシュベルトなどのベルト搬送型も選択肢になります。ベルト上で搬送しながら処理でき、タンブラーより接触を抑えやすい場合があります。ただし、形状や投入量によっては部品同士の接触が起こります。
| 形式 | 得意なワーク | 生産方式 | 品質面の強み | 主な注意点 |
|---|---|---|---|---|
| タンブラー式 | 小物量産、丈夫な部品 | バッチ中心(連続タイプもあり) | 攪拌で当たりを得やすい | 接触による打痕・絡み |
| ハンガー式 | 打痕を避けたい製品、複雑形状、吊り可能品 | バッチ〜ライン化 | ワーク同士の接触を避けやすい | 治具設計・段取り時間 |
| テーブル式 | 載置できる小〜中物、単品〜中量 | バッチ | 回転で均一化しやすい | 裏面・接触面の処理 |
| ローラーコンベア式 | 鋼板・形鋼・パイプ・構造物などの長尺物 | 連続(ライン連動) | 一定条件で再現性を得やすい | 接触面・搬送安定性 |
| ベルトコンベア式 | 小物を連続で流し、保持したい場合 | 連続 | 保持しながら処理できる | ベルトの目詰まり、保持姿勢 |
小物量産で処理速度を重視するならタンブラー式、接触ダメージを避けて品質を重視するならハンガー式、載置して回転で均一化したいならテーブル式、長尺物や鋼板をラインで流して安定品質を作りたいならローラーコンベア式が基本です。小物を連続搬送しながら接触を抑えたい場合は、ベルトコンベア式も候補になります。
ワーク条件と生産方式を先に固め、処理テストで仕上がりと打痕リスクを確認してから形式を絞り込むことで、導入後のミスマッチを防ぎやすくなります。
ショットブラスト機は、加工部品の素材や形状に適した装置を選ぶことで、処理速度の向上やコスト削減が可能。メーカーごとに得意とする部品のタイプが異なるため、加工する部品に応じた装置選びが欠かせません。ここでは、部品ごとにおすすめのショットブラスト機を扱うメーカーを紹介します。
太洋マシナリー
鋳造・鍛造・製缶・製鋼部品の附着砂や錆・スケール落しを目的とし、ワークの形状・材質・処理能力に対応したショットブラスト装置をカスタム対応。
標準機械も取り揃えており、用途に応じたレイアウトとオプション仕様でセミカスタム設計しています。
高性能セパレーターと最適なライニング材で不純物を除去し、鋳造・鍛造・製缶・製鋼部品の製品表面仕上がり状態を改善し、消耗部品の延命が期待できます。
用途に合わせて消耗部品やキャビネットライニングの材質と取付方法を選定し、メンテナンスを簡素化します。
不二製作所
1μm以下の超微粒子研磨材を安定して噴射できる装置に、独自の研磨材定量制御技術を搭載することで、低圧での安定噴射を実現。
繊細な製品加工の再加工や検査負担を軽減します。
精密加工向けに多関節ロボット自動化を搭載したショットブラスト機を提供。
クリーンルーム環境での運用にも配慮し、処理精度と清浄性の両立をサポートします。精密生産ラインにも組み込みやすい設計です。
Wheelabrator
(ホイール・アブレーター)
航空機メーカーと共同開発し、航空部品に特化した装置を提供。
処理条件や稼働状態をリアルタイムで記録・管理できるトレーサビリティ機能により、航空機・宇宙開発業界の厳格な品質要求に応えます。
疲労強度の向上や応力腐食割れの抑制など、航空機部品で重視される性能改善に特化したショットピーニング装置を開発。
CNC制御や多軸ロボットによる精密な噴射制御で、均一なピーニング処理を実現します。