大型鋳物の砂落とし、機械部品のスケール除去、ダイカスト品のバリ取り。ショットブラスト機に任せたい仕事は、現場によってさまざまです。このページでは、どんな装置で、どの部品・工程を扱う現場が検討しやすいかを製品ごとに紹介します。用途や対象ワークを手がかりに、自社の工程に合う候補を探してください。
構造・用途・仕様はメーカーの公開情報を参照し、検討の目安と確認点を整理しています。実機検証による性能評価は行っていません。掲載にはエアーブラスト装置も含め、方式を区別して案内しています。
任せたい処理や自社の部品に近いものからご覧ください。製品名を選ぶと、装置の特徴と導入判断の確認点へ移動します。
| 製品名・メーカー | 処理方式・装置形式 | 主な用途 | このような現場で検討したい |
|---|---|---|---|
| TCRシリーズ 太洋マシナリー |
投射機式/クレーン式 | 中・大型鋳物の砂落とし、複雑形状ワークの表面研掃 | 多品種の鋳物や溶接構造物を、吊り下げて処理したい現場 |
| SNTXシリーズ 新東工業 |
投射機式/テーブル式 | 機械部品などのバリ取り、スケール落とし、面粗し | 部品同士の接触を避け、多品種・少量や重量物を処理したい現場 |
| SNBXシリーズ 新東工業 |
投射機式/ゴムエプロン式 | ギヤ・ばね・ボルトなどのスケール除去、表面粗し、バリ取り | 部品をまとめて投入し、攪拌するバッチ処理を検討している現場 |
| HBF-153X ニッチュー |
投射機式/インデックスハンガー式 | ダイカスト品のバリ取り、肌調整、表面粗し | ダイカスト品を治具に掛け、部品同士の衝突を避けたい現場 |
| RB ロボット搭載装置 不二製作所 |
エアーブラスト/ロボット搭載 | 穴内部や入り組んだ部位の加工、設定した動作による自動加工 | 複雑形状の加工や、品種ごとのノズル動作を設定したい現場 |
対象部品はメーカーが示す用途・対象例です。自社で使えるかの判断には、部品の寸法・重量、保持方法、求める仕上がりの確認が必要となります。
クレーンに吊り下げたワークを、回転や上下・前後の移動を組み合わせて研掃するTCRシリーズ。メーカーは、多品種生産の中・大型鋳物の砂落としと表面研掃を主な用途に挙げています。中子のある鋳物や溶接構造物も対象例です。
日々扱う鋳物の種類が変わり、複雑な形状や中子のある部品も処理したい。そうした現場で、ワークを吊り下げる工程を組めるなら候補になります。工場の動線に合わせたクレーン用レールの設計もメーカーが案内しており、搬送レイアウトを含めて相談したい場合にも検討できます。
導入判断で確認したいこと:部品と吊り具を含む荷重、吊り下げ姿勢、処理範囲を図面で確認します。クレーンが移動する経路や天井高も伝え、必要な仕様と設置条件を具体化しましょう。
相談するときの質問例:「この部品を指定の姿勢で吊り下げて処理できますか。対応する型式、必要な吊り具、処理範囲とクレーン動線を教えてください。」
※参照元:太洋マシナリー「クレーン式ショットブラストTCRシリーズ」
SNTXは、部品をテーブル上に並べて処理するショットブラスト機です。処理中はテーブルが自転しながらスライドします。メーカーの対象例は鋳造品、鍛造品、熱処理品、機械加工品などで、バリ取りやスケール落とし、面粗しに対応。
部品同士の接触による打痕を避けたいことに加え、テーブルに載せて保持できる部品を扱う現場が検討の対象です。多品種・少量の生産や、大物・重量物の処理もメーカーが挙げる用途。品種ごとの並べ方と取り出し方法を整理しておくと、自社の工程への適合を相談しやすくなります。
導入判断で確認したいこと:選ぶ型式のテーブル径・処理高さ・最大処理重量に収まるかが最初の確認点です。裏面も処理する場合は、反転の要否と治具の条件まで確認してください。表裏を同時に処理する治具はオプションとして案内されています。
相談するときの質問例:「この部品を何個並べられますか。指定した面と裏面を処理する際の治具、反転作業、対応する型式を教えてください。」
※参照元:新東工業「ショットブラスト/SNTXシリーズ」
エンドレスゴムエプロンでワークを攪拌しながら投射するSNBXシリーズ。ギヤ、ばね、ボルト、工具などを対象に、スケール除去や表面粗し、バリ取りなどを行います。複数の部品をまとめて投入するバッチ処理の装置です。
機械部品を一定量ずつ投入し、まとめて表面処理する工程を組みたい場合の候補になります。選定に当たって押さえたいのは、攪拌する扱い方が、自社の部品と外観基準に合うか。処理したい部品の形状と許容傷を示し、適用の見込みをメーカーに尋ねておきたいところです。
導入判断で確認したいこと:仕様表には、1バッチの処理容量・最大処理重量と、部品1個の最大重量・長さが別々に示されています。総重量だけで判断せず、1個の条件も含めて型式を選びます。投入・取り出しの方法は、自社の前後工程に合わせて相談しましょう。
相談するときの質問例:「この形状と許容傷の条件で攪拌処理を検討できますか。部品1個の重量・寸法と、1回の投入量に合う型式を教えてください。」
※参照元:新東工業「ショットブラスト/SNBXシリーズ」
HBF-153Xは、4ステーションのインデックスハンガー式ショットブラスト機です。ダイカスト品を治具に掛けて処理し、製品同士の衝突による打痕を避ける構造。バリ取りや肌調整、表面粗しなどを用途に挙げています。
製品を治具に掛けて保持でき、部品同士をぶつけずに処理したい現場で検討できます。外周の処理に使うハンガー治具も、メーカーが案内する選択肢です。治具への掛け外しを自社の作業に組み込めるかまで考えると、必要な条件が見えてきます。
導入判断で確認したいこと:公式の製品有効寸法はφ500mm×H700mm。許容重量は、治具を含めて100kg以下/ハンガーです。ハンガー治具は機械に付属していないため、掛け数、保持方法、治具の費用と着脱作業を確認してください。
相談するときの質問例:「このダイカスト品を、治具を含めて何個掛けられますか。外周の処理範囲、治具の仕様と費用、掛け外しの方法を提案してください。」
※参照元:ニッチュー「HBF-153X」
RBは、垂直多関節ロボットにノズルを持たせて加工するエアーブラスト装置です。あらかじめ設定した動きを再現し、穴内部や入り組んだ部位にもノズルを近づけて加工します。複数の動作設定により、複雑形状ワークの連続処理と少量多品種の加工に対応します。
通常の噴射ではかかりにくい部位を狙いたい、加工する場所に沿ってノズルを動かしたい。そんな課題を持つ現場が検討の対象です。品種ごとに加工する面と動作を定めたい場合も、図面を示して仕様を相談できます。
導入判断で確認したいこと:加工する面と避ける面、ノズルを近づけたい箇所を図面に記入しましょう。部品の着脱も自動化したい場合は、ローダー・アンローダーなどを含む提案が必要です。公開されている装置実績の寸法は実績例の条件として読み、自社向けの寸法・荷重は別途確認してください。
相談するときの質問例:「この部位へノズルを近づけて加工できますか。品種追加時の動作設定と治具交換、着脱を自動化するための追加装置を教えてください。」
※参照元:不二製作所「RB ロボット搭載」
製品名に加え、部品の図面、材質・寸法・重量、処理したい面、必要な数量を伝えると、適用の見込みを聞きやすくなります。各製品の質問例を使い、型式や治具など、選定に必要な条件を具体化しましょう。
メーカーには、対応の見込みとその根拠、必要な追加仕様、まだ判断できない項目を尋ねてください。公開情報にない仕上がりや処理時間は、推測で埋めずに確認事項として残します。
ショットブラスト機は、加工部品の素材や形状に適した装置を選ぶことで、処理速度の向上やコスト削減が可能。メーカーごとに得意とする部品のタイプが異なるため、加工する部品に応じた装置選びが欠かせません。ここでは、部品ごとにおすすめのショットブラスト機を扱うメーカーを紹介します。
太洋マシナリー
鋳造・鍛造・製缶・製鋼部品の附着砂や錆・スケール落しを目的とし、ワークの形状・材質・処理能力に対応したショットブラスト装置をカスタム対応。
標準機械も取り揃えており、用途に応じたレイアウトとオプション仕様でセミカスタム設計しています。
高性能セパレーターと最適なライニング材で不純物を除去し、鋳造・鍛造・製缶・製鋼部品の製品表面仕上がり状態を改善し、消耗部品の延命が期待できます。
用途に合わせて消耗部品やキャビネットライニングの材質と取付方法を選定し、メンテナンスを簡素化します。
不二製作所
1μm以下の超微粒子研磨材を安定して噴射できる装置に、独自の研磨材定量制御技術を搭載することで、低圧での安定噴射を実現。
繊細な製品加工の再加工や検査負担を軽減します。
精密加工向けに多関節ロボット自動化を搭載したショットブラスト機を提供。
クリーンルーム環境での運用にも配慮し、処理精度と清浄性の両立をサポートします。精密生産ラインにも組み込みやすい設計です。
Wheelabrator
(ホイール・アブレーター)
航空機メーカーと共同開発し、航空部品に特化した装置を提供。
処理条件や稼働状態をリアルタイムで記録・管理できるトレーサビリティ機能により、航空機・宇宙開発業界の厳格な品質要求に応えます。
疲労強度の向上や応力腐食割れの抑制など、航空機部品で重視される性能改善に特化したショットピーニング装置を開発。
CNC制御や多軸ロボットによる精密な噴射制御で、均一なピーニング処理を実現します。